サービス業のX社は、業界のリーディングカンパニーとして長く君臨していたが、バブル後の景気低迷時に高齢技術者の希望退職など縮小均衡型の戦略を採用したため、会社内部は閉塞感に包まれていた。
以前は新入社員研修で経営理念からサービス品質まで徹底的に教育され、企業の価値観を共有していたが、いつのまにか形骸化してしまった。組織としての求心力が低下し、社員の行動パターンも不統一になり、一部サービス品質の劣化が問題となっていた。
経営トップは創業50周年を迎えるに当たり、社内での求心力の強化と企業ブランドのイメージの刷新を図りたいと、若手幹部を中心に組成したプロジェクトチームに対し、新たな成長戦略を策定するとともに企業ブランドの再構築を命じた。
次世代を担う若手幹部と弊社コンサルタントによるプロジェクトチームは、客観的に現状分析を行うため、ブランドイメージについて消費者アンケート調査を行い、消費者の抱いているブランドイメージと会社が提供したいと考えている価値観とのギャップを分析した。そのギャップを埋めることを目的に、原因の究明を多面的な切り口で実施し、戦略的な課題の設定と実現に向けた経営計画の策定を行った。
その過程では、これまでの経営理念を見直すとともに、新たな時代に向けてミッション、ビジョン、価値観の再定義を行い、社員の行動様式の変革にも取り組んだ。

消費者アンケートという客観的なデータをもとに、事実を積上げてプロジェクトを進めた結果、マーケットインの視点で何を変えなければならないかが明確になった。消費者に対する理解が深まると同時に主体的にやることが理解でき、実効性の高い計画が策定できた。これからの活動が、企業ブランドを高めることに直結することが、社員の求心力を高め、社員がやりがいを感じ取るようにもなった。