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平成20年度税制改正(個人編)

平成20年度税制改正では、上場株式等を対象とした証券税制の改正、自宅を省エネ住宅へ増改築した場合の税額控除や地方公共団体(都道府県や市区町村)に寄附を行った場合の「ふるさと納税制度」の創設などが行なわれています。
今回は、その中から多くの人に関係する項目について、その改正内容を解説いたします。

1. 証券税制関係

上場株式等の譲渡所得と配当所得に対する課税方法が改正され、平成21年1月1日から適用されることになりました。

(1) 上場株式等の譲渡所得課税

譲渡所得に対する税率は、軽減税率が平成20年12月31日で廃止され、原則20%となります。ただし、その年の上場株式等の譲渡所得金額の合計が500万円までの部分については、平成22年12月31日まで10%とする軽減措置が講じられています。
また、特定口座で「源泉あり」を選択している場合は、確定申告不要制度の選択が可能でしたが、平成21年1月1日からは申告不要制度を選択できるのが、その年の上場株式等の譲渡所得金額の合計が500万円以下の人に限られるように改正されていますから注意が必要です。
さらに、従来は配当所得とされていた「解約益」や「償還益」が譲渡所得とみなされるようになるため、譲渡損失との損益通算ができるようになります。
改正の内容をまとめると次表のようになります。

上場株式等の譲渡所得課税

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(2) 上場株式等の配当所得課税

平成21年1月1日以後に受け取る公募株式投資信託の普通分配金を含む上場株式等の配当等に適用される源泉徴収税率は、原則20%となります。ただし、平成22年12月31日までは軽減措置として、支払額に対して10%の税率で計算された金額が源泉徴収されることになり、年間に受取る上場株式等の配当等の合計額が100万円以下の人については、現行と同じように申告不要制度を選択することが認められます。
上場株式等の配当等に係る配当所得についての確定申告の方式に、「申告分離課税」による方法が新設されています。その結果、確定申告を行なう場合には、新たに創設された「申告分離課税」と現行の配当控除の適用を受ける「総合課税」との選択ができるようになりました。さらに申告分離課税を選択した場合には、上場株式等の譲渡損失との損益通算が認められています。
申告分離課税を選択する場合、平成22年12月31日までは、配当所得の金額のうち100万円以下の部分の税率は10%、100万円を超える部分の税率は20%となります。
改正の内容をまとめると次表のようになります。

上場株式等の配当所得課税

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2. 自宅の増改築関係

居住者が自己の居住の用に供する家屋について、一定の省エネ改修工事を含む増改築等を行い、その家屋を平成20年4月1日から同年12月31日までの間にその人の居住の用に供した場合に、居住の用に供した年から5年間にわたり、一定額を所得税から控除できる制度が新たに創設されました。この制度を利用するためには、改修工事を借入金で行なう必要があります。控除額は、その住宅借入金等の年末残高(1,000万円以下の部分)を基準に計算します。

省エネ改修促進税制と増改築時の住宅借入金等特別控除との比較

この制度を利用するための一定の省エネ改修工事とは、(1)住居の全ての窓の改修工事、又は(1)の工事と併せて行う(2)床の断熱工事(3)天井の断熱工事もしくは、(4)壁の断熱工事で、次のイ、ロ、ハの要件を満たすものをいいます。

  • イ.改修部位の省エネ性能がいずれも平成11年基準以上となること
  • ロ.改修後の住宅全体の省エネ性能が改修前から一段階相当以上上がると認められる工事内容であること
  • ハ.その工事費用の合計額が30万円を超えるものであること

また、この特例は、現行の増改築等に係る住宅借入金等特別控除との選択適用とされています。

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3. 寄附金関係(個人住民税の寄附金税制、ふるさと納税)

個人が国等に寄附を行った場合に適用される「寄附金控除」の内容が改正されました。具体的には、個人住民税に適用される寄附金控除の対象寄附金の拡大が図られ、都道府県又は市区町村が住民の福祉の増進に寄与する寄附金として条例で定めたものが追加されました。併せて地方公共団体に対する寄附金として「ふるさと納税」が創設されています。
以下、それぞれの内容について解説を行います。

(1) 控除対象寄附金の拡大等

平成21年度分以後の個人住民税に対する寄附金控除の適用要件が次のように変更されます。

  1. [1]控除の方法が、一定額を所得から控除する所得控除方式から税額から直接控除する税額控除方式に改められます。その場合の控除率は、都道府県民税について4%、市(区)町村民税について6%となります。
  2. [2]寄附金控除の控除対象限度額が総所得金額等の30%(現行25%)に引き上げられます。
  3. [3]寄附金控除の適用下限額が5千円(現行10万円)に引き下げられます。

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(2) 地方公共団体に対する寄附金税制の見直し(ふるさと納税)

ふるさとに対し貢献又は応援したいという納税者の思いを実現するために「ふるさと納税制度」が創設されました。この制度は、一定の要件を満たした寄附を地方公共団体に行った場合に、寄附した金額の一定限度額まで所得税とあわせて全額を控除する内容となっています。「ふるさと納税」となっていますが、寄附できる地方公共団体は必ずしも出身地に限定されていませんので、誰でもどこの地方公共団体に対しても寄附を行うことが可能です。具体的な寄附方法や控除金額の計算方法については、寄附を行う地方公共団体のホームページなどで確認できます。この制度も、平成21年度分以後の個人住民税について適用されます。

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4. その他の改正

(1) 住宅取得資金に係る相続時精算課税制度の特例の2年の期限延長

この特例は、父母(年齢は問わない)から20歳以上の子(贈与者の推定相続人)が一定の要件を満たす自己の居住の用に供する住宅用家屋の新築、取得、増改築のために金銭の贈与を受けた場合、3,500万円までの部分について贈与税がかからないものです。(ただし、相続開始時には、贈与を受けた財産を相続財産に加えて相続税を計算します)。平成19年12月31日で期限の到来した本特例は、2年間延長され、平成21年12月31日までの贈与に適用されます。

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(2) 公的年金等に係る個人住民税額の公的年金からの特別徴収制度の導入

平成21年10月から公的年金等に係る住民税の納付方法が、納付書により納付する普通徴収の方法から年金より源泉徴収される特別徴収方式に変更されます。ただし、納付方法が特別徴収方式に変更されるのは、年額18万円以上の老齢基礎年金等の支払いを受けている、65歳以上の人となります。

(相談部 青野嘉夫)

[相談室NEWS ワンポイント情報(2008年9月1日発行)より転載]

内容は執筆当時のままとなっておりますのでご了承ください。

  • *本ホームページの情報は、法律、会計、税務等の一般的なご説明をしたものです。個別具体的な法律上、会計上、税務上等の判断や対策などについては専門家(弁護士、公認会計士、税理士等)にご相談ください。
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