計算書類とは会社法の規定により作成される外部報告用資料のことです。
商法上の計算書類のうち営業報告書は事業報告に名称が変更され計算書類の範囲より外されました。なお事業報告を事業報告書としても特に問題はありません。また附属明細書は「計算書類に係る附属明細書」と「事業報告に係る附属明細書」に分離されました。
利益処分案は制度上なくなり、株主資本等変動計算書が制定されました。さらに、従来、貸借対照表及び損益計算書の脚注としていた項目や、営業報告書、附属明細書に注記として記載していた項目をまとめて個別注記表として独立させました。

事業報告の内容については全ての会社共通の事項として下記の二つが定められています。
事業報告の形式としては、多くの会社が従来の営業報告書と同様のものを作成すると思われますが、参考とするならば、全国株懇連合会において2006年8月29日公表した事業報告のモデルがあります。構成は下記のとおりです。
なお詳細については、下記アドレスにて確認できます。
http://www.kabukon.net/pic/12_1.pdf![]()
今回の会社計算規則では、注記に関して下記のように規定されました。なお、注記は独立した一表とする必要はなく、従来同様に脚注方式で記載することも可能です。
このうち、会計監査人設置会社以外の公開会社は[1]及び[11]を省略できます。また会計監査人設置会社以外の非公開会社は(株式譲渡制限会社)は[1]、[3]、[4]、[6]〜[11]を省略できます。従って[2][5]及び[12]については全ての会社が必要となります。
今般の会社法の改正に伴い、貸借対照表の「資本の部」は「純資産の部」に変更されました。また、表示内容も大きく見直されました。下記に「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」に記載された表示例を示します。
| 会社法 | 旧商法 |
|---|---|
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資本金、新株式申込証拠金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式、自己株式申込証拠金に区分されます。
資本剰余金はさらに資本準備金、その他資本剰余金に区分されますが、その他資本剰余金の内訳(資本金および資本準備金減少差益、自己株式処分差益など)を必ずしも表示する必要はありません。利益剰余金は利益準備金とその他利益剰余金に区分されます。会社計算規則には明記されていませんが、会計基準においては、その他利益剰余金は任意積立金などとそれ以外の繰越利益剰余金に区分するとされています。
金融商品会計基準を適用した場合のその他有価証券を時価評価した結果発生する「その他有価証券評価差額金」、ヘッジ会計を適用した場合の「繰延ヘッジ損益」(従来は負債、または資産の部に計上)、土地再評価法を過去に適用した会社の「土地再評価差額金」が表示されます。
従来は負債の部に計上されていましたが、会社法では純資産の部に表示します。
損益計算書も表示内容が変わりました。従来、前期繰越利益の次に記載していた自己株式消却額、目的積立金の取崩額、中間配当額、減資による繰越損失填補額などは、すべて株主資本等変動計算書の記載項目となり、損益計算書は、当期純利益が最終科目となります。
| 会社法 | 旧商法 |
|---|---|
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利益処分案または損失処理案は制度上廃止されました。代わってその事業年度中の純資産の部の計数の増減を表す計算書類として新たに株主資本等変動計算書が制定されました。下記に「株主資本等変動計算書に関する会計基準等の適用指針」に記載された表示例を示します。適用指針には、このような横に並べる様式と、もう一つ縦に並べる様式の二種類が示されていますが、下記のような横に並べる方式が多いと思われます。
株主資本等変動計算書の表示区分は、貸借対照表の純資産の部の表示区分に従い、各項目の前期末、当期末の残高が貸借対照表の純資産の部の各項目の期末残高と一致します。
株主資本の各項目については、前期末残高、当期変動額、当期末残高に区分し、当期変動額は変動事由(新株の発行、剰余金の配当、当期純利益、自己株式の処分など)ごとにその金額を表示します。株主資本以外の各項目についても、前期末残高、当期変動額、当期末残高に区分しますが、当期変動額は項目ごとの増減額を単純合計し、株主資本以外の項目の当期変動額の欄に純額で記載します。

株主資本等変動計算書の前期末残高の記載は、前期末の貸借対照表において該当する各項目の残高を記載します。会社法が施行されて初めて株主資本等変動計算書を作成する場合、「繰越利益剰余金」の前期末残高は「当期未処分利益(または当期未処理損失)」の残高を記載します。
なお前期の利益処分案に記載された利益配当、役員賞与の支給、任意積立金の計上などは、初めて作成される株主資本等変動計算書にその項目をそれぞれ当期変動額に記載します。またその他利益剰余金の変動については、例えば「平成○○年○月定時株主総会における利益処分項目」という項目を立てて包括的に記載し、内容を注記することも可能です。
(相談部 勝木幹雄)
[TAX AND LAW情報(2007年2月28日発行)より転載]
内容は執筆当時のままとなっておりますのでご了承ください。
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